ストーリー詳細

真心を込めて綴られた時の絵巻を静かに味わって。胸を打つ声と響き合う調べに導かれ、ステージと日常が交わるかけがえのない記憶をもう一度心に抱きしめます。

花飾りのためのデコール · EPISODE 4

あの日々

バンド! やろうぜ!

ADV 10063 · 再生時間 18:14

解放条件

  • プレイヤーランク 4

クリア報酬

蛍蛍

…………

蛍蛍

ま……待ってください。 えっと……え?

蛍蛍

そんな……信じられないですよ……

蛍蛍

だって……奏多さん、すごく元気だったのに。 会うといつもすごく楽しそうで……!

凪・朋花凪・朋花

……

まほろまほろ

……そうだよね。私たちも、そう思う

まほろまほろ

奏多ね、生まれつきの病気があって 子どもの頃から入退院繰り返してたんだ

まほろまほろ

でもバンド組んでからは…… 高校生になってからは、もう大丈夫だって……

まほろまほろ

バンド活動も順調だったんだけど……

蛍蛍

……!

観客B

あー、あれでしょ? 悲劇のバンド

蛍蛍

(悲劇って……)

蛍蛍

(奏多さんじゃなくて、まほろさんが歌っていたのも)

蛍蛍

(悲しそうに、聴こえたのも)

蛍蛍

(全部――)

蛍蛍

そんな……

蛍蛍

(またなって……言ってたのに……!)

蛍蛍

(たくさん、たくさん……助けてもらったのに……!)

蛍蛍

(わたし、まだ……っ)

蛍蛍

(ありがとうも……言えてない……っ!!)

蛍蛍

…………っ

まほろまほろ

……ごめんね。 最初に会った時に、伝えてあげるべきだった

まほろまほろ

こんな形で伝えることになっちゃって、 本当ごめんなさい……

蛍蛍

いえ……

蛍蛍

わたしが勝手に、会えるって思ってただけで…… まほろさんは何も、悪くない……です……

まほろまほろ

…………

蛍蛍

だから……だから……っ

蛍蛍

うぅ……っ

蛍蛍

うう……わあああああ……っ!

蛍蛍

ぐすっ……す、すみません…… 急に泣いたりして

まほろまほろ

ううん。これ、ティッシュ。使って

蛍蛍

ありがとうございます……ぐすっ

凪・朋花・まほろ凪・朋花・まほろ

…………

凪凪

きみのことはよく聞いてたんだ。奏多から

朋花朋花

ええ。とてもピアノがお上手だと褒めていましたね

まほろまほろ

『蛍はマジですごい音楽をやるヤツだ。 わたしの自慢の弟子だ』ってなんかドヤってた

蛍蛍

奏多さんが……

蛍蛍

奏多さんも……奏多さんもmillsageの皆さんのこと、 たくさんたくさん話してくれました

蛍蛍

メンバーみんなサイコーなヤツらで…… わたしの宝物だって

まほろまほろ

……!

蛍蛍

だから……続けてるんですよね

蛍蛍

奏多さんが……いなくなった後も。 こうして、バンド……

凪・朋花・まほろ凪・朋花・まほろ

…………

凪凪

……まほろ。私が言おうか

まほろまほろ

……ううん、私が。 最後まで自分で説明する

まほろまほろ

蛍ちゃんには、ちゃんと話さなきゃだよね。 奏多の弟子なんだもん

蛍蛍

まほろ、さん……?

まほろまほろ

蛍ちゃん、聞いてくれる?

まほろまほろ

私たちと、奏多の……millsageの、これまでのこと。 そして、これからのことを——

まほろ(まほろ)

奏多と私と凪ちゃん、この3人は 小さい頃からずっと一緒だったの

まほろ(まほろ)

なんにでも全力で突進していく奏多

まほろ(まほろ)

奏多に振り回されながらついていく私。 なんだかんだ付き合ってくれる凪ちゃん

まほろ(まほろ)

最強の幼馴染3人組だー、なんて思ってたな

まほろ(まほろ)

奏多は、普段は病気だなんて嘘なんじゃないかってくらい 元気でやりすぎで口が悪くて……

まほろ(まほろ)

でも時々、長く入院してね

まほろ(まほろ)

中3の時の入院は、本当に長くて…… あの時は……すごく心配だったな

まほろまほろ

……奏多、まだ良くならないのかな。 せっかく今日から新しい学年なのに

凪凪

……今回の入院、長引いてるよね。 先週のお見舞いから、連絡も来てないし……

奏多

なー。ホント長かったよな

まほろまほろ

うん……え?

奏多

よっ

まほろまほろ

か……奏多っ!?

奏多

へへ、サプラーイズ

凪凪

ビックリした……ようやく退院?

奏多

おう! 沢海奏多、完・全・復・活!

奏多

ダメかと思わせて、予想を裏切る! なかなかアツい登場じゃね?

まほろまほろ

……っ!

奏多

うわっ!? ちょ、なんだよまほろ!

まほろまほろ

よかった……よかったぁ……!

奏多

えっ、ちょ、泣いてる!?

凪凪

これはさすがに奏多が悪いんじゃない?

まほろまほろ

いつもより入院長いし、お見舞いも来るなって言うし!  私、もしかしたらって……! 心配したんだから!

奏多

えー……悪かったって……!

奏多

今回の入院でもう大丈夫だ、完治だって お医者様が言ってたんだぜ?

まほろ・凪まほろ・凪

えっ!

まほろまほろ

ホントに?

奏多

まじまじ。だからあんま怒んなよ〜……

まほろまほろ

〜〜〜っ! なら許す!

凪凪

あは。だってさ

奏多

許された〜!

まほろまほろ

っていうか、制服着てるってことは、学校も復活?

奏多

そ! 晴れて最強の3人がまた揃うってわけ!

凪凪

あー、騒がしくなりそう

奏多

おいおい凪ー、とか言って嬉しいんだろ〜?

凪凪

そういうことにしとく

奏多

素直じゃねえな〜

奏多

まーいっか。今日は2人に、言いたいことあるんだよ!

まほろまほろ

? 退院宣言じゃなくて?

凪凪

愛の告白とか

奏多

イエス、アイラービュー!

凪凪

え、当たった

奏多

バンド! やろうぜ! わたしら3人でさ!

凪・まほろ凪・まほろ

…………え?

まほろまほろ

ばっ、ばばば、バンド!? 私楽器とかできないって!

凪凪

右に同じく

奏多

心配すんなって、わたしピアノ経験者だから!

まほろまほろ

いやそれは知ってる!  私は未経験なんだって〜……

奏多

えー、いいじゃん頼むよ〜

奏多

練習合宿したり、文化祭ライブ出たりさ! わたしたちの音楽を世界に刻みつけちゃおうぜ!

まほろまほろ

……!

凪凪

……まほろ。嘘だよね。 心揺らいだりしてないよね

まほろまほろ

え、え〜? そそそんなことないよ〜?

凪凪

あー、ダメそう

まほろまほろ

や、だって……ちょっと青春っぽくていいなって。 私も結構、そういうの好きだし……

奏多

よっしゃ! じゃあまほろは決まりな!

まほろまほろ

うん。奏多と凪ちゃんがいるんだもん! なんとかなる気がしてきた

凪凪

やるって言ってないんだよなー

まほろまほろ

な、凪ちゃん……!

凪凪

はぁ……わかりましたよ。 ただ、やるのはいいけど、バンドのことはよく知らないよ

凪凪

いつもみたいに2人で泣きついてきたって、 助けてあげられないからね

奏多

わかってますって〜。 言い出しっぺの奏多サマに任せとけって!

凪凪

このパターンで何事もなく終わった試しないんだよな〜

まほろまほろ

わ、私もサポートするから! ね?

奏多

よーっし! 最高バンドライフの始まりだ〜!

奏多

おぉ〜! ちゃんとピアノ搬入されてるじゃん! 秘密基地みたいで最高!

まほろまほろ

でも凪ちゃん、本当にこのガレージ使わせてもらっていいの?

凪凪

うん。昔は姉さんがバスケの練習で使ってたんだけど…… 今は誰も使ってないから

奏多

よっしゃ、これで練習場所の問題は解決!

凪凪

お役に立てたなら何より

まほろまほろ

あはは、それで〜…… 解決しなきゃいけない問題がもうひとつ、あるよね?

なつめ???(なつめ)

……あんたたち、どういうつもり?

奏多

どう? わたしらとバンドやってくれる気になった?

なつめ???(なつめ)

なるわけないでしょ! 無理やりこんなとこ連れてきて!

奏多

いやだってさ〜。屋上行ったら、 なんか一人でギター弾いてるしさ〜

奏多

これはもう誘うしかねーだろ! って

凪凪

奏多……言葉足りなさ過ぎ

なつめ???(なつめ)

なんなのコイツ!  どんだけ離せって言っても聞く耳持たないし! 帰らせてもらうわ

まほろまほろ

ご、ごめんなさい! 奏多が大変ご迷惑おかけしました……

まほろまほろ

えーっと、お名前は……

なつめなつめ

……伊沢なつめ

奏多

そう! わたしとまほろと同い年! クラスは違うけどな

まほろまほろ

言われてみれば……すれ違ったりはしてるかも……?

なつめなつめ

はん。あたしはあんたら凡才と違って 群れたりしないの

まほろまほろ

ぼ、凡才……?

凪凪

……あ、思い出した。 勝手に屋上陣取ってて、誰も寄せ付けないって噂の先輩だ

凪凪

うちのクラスの子が言ってた

なつめなつめ

……あんた、中等部よね。何年生?

凪凪

え、2年生だけど

なつめなつめ

ふーん。あたし、3年生。わかる?

凪凪

……え。はあ

奏多

なー、なんでバンドダメなわけ? ギター上手いんだしさ〜いいじゃん

なつめなつめ

あんたらほぼ初心者でしょ? 下手なヤツとつるむ気なんてない

奏多

わたしピアノ弾けるぜ?

なつめなつめ

どうせ猫踏んじゃったとかでしょ

奏多

おー? 傷つくな〜わたしはデリケートなんだぞ?

奏多

そこまで言うなら聴かせて差し上げるぜ? わたしのピアノ

奏多

ま。屋上で一人寂しく弾いてるようなヤツに 良さが伝わるかはわかんね〜けど?

なつめなつめ

……上等じゃない。 せっかくだし、あたしも一緒に弾いてあげるわ

奏多

ほーん?

なつめなつめ

あたしが今からアドリブでフレーズを弾く。 あんたはそれを聞いて、好きなとこで入ってきて

なつめなつめ

格の違いってものを思い知らせてあげる

奏多

おっけおっけ、セッションってことね。 アップライト運んどいてもらって正解〜!

まほろまほろ

な、凪ちゃん、これ大丈夫なのかな〜…… なんか勝負っぽくなってない……?

凪凪

なるようにしかならないでしょ。奏多のやることだし

なつめなつめ

もし万が一にでもあたしを認めさせることができたら、 バンド加入も考えてあげるわ

なつめなつめ

ま? 天才ギタリストであるこのあたしが、 こんな素人なんかに負けるわけないけどね?

まほろ(まほろ)

そうして、セッション勝負を終えて 私たちは4人になった

まほろ(まほろ)

それから練習を重ねて、 初めてのライブを大成功で終えたの

まほろ(まほろ)

初めてのライブハウス、初めての歓声、初めての拍手…… 全部にドキドキして……

まほろ(まほろ)

なんだかふわふわして、くすぐったかった

奏多

せーのっ……

一同

かんぱーい!!

まほろまほろ

…………ぷはっ。おいしーっ!

凪凪

あは。おじさんみたい

まほろまほろ

だって! 初ライブの打ち上げだよ!? 大成功だったんだよ!?

なつめなつめ

あたしが弾いてるんだし、成功して当然でしょ

奏多

そうそう! あの時のわたしの目に狂いはなかった!

奏多

なつめのギター、マジでクールだったぜ!

なつめなつめ

……あっそ

まほろまほろ

ふふ。なつめちゃん、クールって言われるの好きだよね

なつめなつめ

当然でしょ。 何てったって、英語でかっこいいって意味だもの

まほろまほろ

……そ、そっかあ

なつめなつめ

何? 言いたいことあるなら言いなさいよ

まほろまほろ

なつめちゃん! クール! クールになろ!

なつめなつめ

そのクールは違うのよ!

まほろまほろ

ひー!

凪凪

はーい、すみませんがそれくらいで 勘弁してあげてくださいね

なつめなつめ

出たわねまほろナイト

凪凪

……や、まほろだけじゃないですよ。 それにナイトも、そうせざるを得ないって言うか――

奏多

凪! 見てこれ、でけーカニ! すぐそこ歩いてた!

凪凪

ん、カニにも帰る家があるからね、リリースしようね

まほろまほろ

凪ちゃ〜ん……ジュースこぼしちゃった……

凪凪

はいはい、ハンカチとウェッティあれば大丈夫?

凪凪

……で、何の話でしたっけ

なつめなつめ

……あんた、本当にこいつらより年下?

凪凪

あは。よく言われます

朋花朋花

――あのっ!

奏多

……?

朋花朋花

突然すみません。 私……和泉朋花と言います

まほろまほろ

あ……昨日の対バン相手の子

朋花朋花

わ、そうです。 こんな私を覚えていてくださったんですね……!

なつめなつめ

……何の用?

朋花朋花

実は私、その……昨日のライブで、 奏多さんのファンになってしまって……♡

凪凪

……わお

まほろまほろ

ふぁふぁふぁ、ファン!?

なつめなつめ

何であたしじゃなく奏多なのよ……!

奏多

あっはっは! わたしのカリスマに当てられちゃったか!

朋花朋花

はい……そこでひとつ、折り入ってお願いがありまして……

奏多

うんうん、言ってみ言ってみ。 サインでも握手でもいいぜ

凪凪

天狗……

朋花朋花

私を……どうか奏多さんのバンドに、 入れていただけないでしょうか

なつめ・まほろなつめ・まほろ

え……

奏多

おっけー!

なつめ・まほろなつめ・まほろ

えーーーっ!?

凪凪

即答じゃん……

奏多

んだよ、いいだろ? なんかこいつ面白そーだし!

朋花朋花

ありがとうございます……! 一生懸命、がんばらせてもらいますね♡

まほろ(まほろ)

――こうして私たちのバンドは、 5人で正式にスタートすることになったんだ