チェリさん……このオムレツいりますか? 私海鮮はちょっと……
ストーリー詳細
真心を込めて綴られた時の絵巻を静かに味わって。胸を打つ声と響き合う調べに導かれ、ステージと日常が交わるかけがえのない記憶をもう一度心に抱きしめます。

THAT KIND 愛 · EPISODE 7
『ホーム』は渡さない!!
私の声が父さんに届いたことも、一度もないしね
ADV 10086 · 再生時間 20:25
解放条件
- プレイヤーランク 7
クリア報酬
蓬咲、さっきは野菜もちまちま避けてましたよね。 好き嫌いはいけませんよっ
う〜っ、選り好みできる身分でもないのにすみません〜!
そんなこと言って、 チェリだってこんにゃく嫌いなくせに〜
なっ……!? なんで知ってるんですかっ
あははっ、当ったり〜! この前貰った筑前煮、こんにゃくばっかり残ってたもん!
べ……別に嫌いじゃありませんっ。 くにゃくにゃしてて弱そうだから食べないだけです!
蕾叶はすごいな。 人の好き嫌いもわかるのか
そりゃあファミリーだからね! 好きなものも嫌いなものもわかっておかないと
そう、なのか…… 私は家族の好きな食べ物も、苦手な食べ物も知らない
そっか〜……じゃあこれから 私たちの好き嫌いを見つけてみて! 一緒に練習していこ!
……ああ……
(『これから』『一緒に』って……コイツは本当に……)
……蕾叶ちゃん、2人で少し話せる?
? うん…… じゃあダイニングのドアのとこでいい?
で、話って?
寧月ちゃんのことだよ。 今朝のこと
今朝のって……ああ!
心玖っ、起きて起きて!
ん…… えっ、蕾叶ちゃん……!?
ばあやさんが来てるんだっ。 心玖も一緒に挨拶しようよ
ばあやさんって、寧月ちゃんの……? え、なんでわたし?
昨日寧月をてきぱき助けたの、心玖だもん! ほらっ、早く早く!
ちょっ……引っ張らないでくれるかなあ……!
――お初にお目にかかります。 私、寧月お嬢ちゃまのお世話係を務める者でございます
(クラシカルなメイド服…… 普通の住宅街だと、ものすごく浮いてる……)
改めて、私は蕾叶、 こっちはファミリーの心玖ですっ
えっと……寧月ちゃんを迎えに来たんですよね?
いえ、ばあやはお礼に参った次第です
はい?
昨日お嬢ちゃまとお別れして以降、 ばあやはずっと陰ながら見守っておりました
お別れの際に、一時避難先を記した地図をお渡ししたのですが 見かけた子猫に気を取られ、無くしてしまわれて……
ばあやが陰からあらゆるヒントを出すも お嬢ちゃまはまったく気づく様子もなく、困っておりました
(なら普通に助ければよかったじゃない)
お嬢ちゃまがゴミ箱の近くで眠り始め、 いよいよばあやが手を出さねばなるまいかと思っていたその時、 あなたが救ってくださったのです
あー……? いえいえ、それほどでも!
……蕾叶ちゃん、 わかってないのに返事するのよくないんじゃないかなあ
あなた方になら、安心してお嬢ちゃまを任せられます。 これから、どうぞよろしくお願いいたします
はいっ、こちらこそ――
ちょっと待ってください! 寧月ちゃんのこと、本当に考えてるんですか?
家の都合で追い出したり、今度は見ず知らずの家に 預けようとしたり……家族に振り回されてる
わたしたち、昨日警察に連絡しようって話になったんです。 でもその時、寧月ちゃんなんて言ったと思います?
ばあやさんがクビにならないように 連絡はしないでほしいって言ったんです
……お嬢ちゃま……
あっ、すみません。これくらい言われなくてもわかりますよね? ずーっと寧月ちゃんのお世話をしてきた人ですから♪
……心玖……?
……会ったばかりのお嬢ちゃまのこと、 そこまで考えてくださったんですね
——っ!
仰ることはごもっとも。私どもも断腸の思いなのです。 けれどこれはお嬢ちゃまにとって『越えねばならない試練』
えっと、聞こえはいいですけど――
お嬢ちゃまは、『家族』から離れる必要があるのです。 今すぐに
……!
あなた方なら大丈夫だと、 ばあやのメイド歴70年の直感がビンビンいっております!
それにあなた方4人の身元・経歴はすべて調査しましたし、 蕾叶様のお祖母様にはすでにご承認いただいております
えっ!? すべて調査って、一晩で……!?
なーんだ! うちのばーちゃんにも連絡してくれたなら安心だね!
蕾叶ちゃん……!
荷物はこちらに手配済みですので お受け取りだけお願いします
はーい! 任されました!
まあ心強いこと。では、せめてものお礼として 本日の朝食は、このばあやにお任せくださいまし
ありがとうございます! どうぞ上がってってください!
えっ、ちょっと……!!
(も〜〜〜、このバカ!! わかってないのに返事するな!!)
このことは寧月に内緒って、なんでだろうね? ばあやさんも寧月に会っていけばよかったのに
……それより。 意味わかってるんだよね?
どこかのご令嬢を、この家で面倒見るってことだよ。 なのにあんなふうに安請け合いして…… ちゃんといろいろ考えた?
……またその顔…… 心玖、怒ってる?
! 怒ってるわけじゃなくて……不安だな〜って
大丈夫だよ。 ばあやさんが私たちのことを信じて任せてくれたんだから
(そういうことじゃないんだってば……!)
(あたしが出てった後、あの子はどうなるわけ? 珍獣ジャングルに放置? そんなの後味悪すぎる)
私は寧月の育った場所も、心玖たちの育った場所も知らない。 でもファミリーだから、守る覚悟はできてるよ
あとは寧月次第
(マジでコイツ、なんっにもわかってない……!!)
――蕾叶、心玖! いつまでコソコソしてるんですか!
ジューシーなハム、最後の1枚はちえりがもらっちゃいますよ!
えっ! 私まだ食べてないのに!
ちえりちゃん、ほんとよく食べるね〜
ふふん、このハムならあと100枚は胃に入ります。 ちえりは胃も最強です
ほんとに〜? そんな入らないと思うけどな〜
入ります! 余裕です!

蕾叶……私、入るよ
え!? 寧月もそんなに食べるの!?
? ファミリーの話だ
え〜〜〜っ!?!?
私には知らないことがたくさんある。 私のこと、家族のこと……この『ファミリー』のことも
だからまずは『ファミリー』を知りたい。 そこから私や家族のことを考えられるようになりたい
それが、今の私がしたいことだ
寧月……!
こんな理由でも、ファミリーに受け入れてもらえるだろうか?
……はぁ……
もっちろん!! 私たちみんな、寧月の味方だし一番の応援団になるよ
それがファミリーだから!
ね、心玖
……がんばらなきゃだね〜♪
(あんたらが、がんばるんだからね)
ありがとう。 では……
寧月? 立ち上がって、どうしたの?
皆さま、この四宮寧月を どうか末長くよろしくお願いいたします
おっ、お姫様みたいなお辞儀を……!!
ち、ちえりだって綺麗なお辞儀くらいできますっ!
こちらこそ末長〜くよろしくね、寧月っ
……寧月ちゃん、その言い方よそではしない方がいいかな〜。 勘違いされちゃうかも
(この子をこんなところに嫁がせようとは ばあやだって思ってないでしょ)
そうなのか……? わかった。これからは気をつけよう
それより寧月、もう一度よ〜く考えてください。 ファミリーに入るか、ちえり連合に入るか
それは……どちらも所属したらダメなのか?
ダメですっ! さあ、選んでください!
寧月はもうファミリーを選んだもんね〜?
……これは、また考える時間が必要なのかもしれないな
――はい、はい…… 転寮が難しいなら、下宿先のご紹介とか……
……いえ、部屋に問題はありません。 ただ、その……同居人が……
はい……私が焦って決めてしまったせいなんですけど
……ありがとうございます。 お手数ですが、よろしくお願いします
(不動産屋さんへの連絡、オッケー。 次は……)
お母さんみくちゃん、ちゃんとご飯食べてる? 寮の子とは仲良くなれたかな
――……っ
心玖ちゃん、次移動だよ〜
うんっ、今行く〜
お疲れさまでーす
(移れるのは最短で夏休み頃か……)
お母さん夏休みにはうちに帰って来られそう? みくちゃんの話が聞けるの、楽しみにしてるね
(この状況を知られたら夏休みより前に 連れ戻されるかもしれないし……)
……はぁ〜……
心玖?
うわっ!? ああ、寧月ちゃんか……
疲れた顔をしている。 何かあったのか?
ううん。 ていうか寧月ちゃん、Tシャツ似合ってるね〜
ありがとう。 蕾叶に着せてもらったのだ
着せて、もらった?
こういう服は初めてで勝手がわからなかったのだ。 一度着てみたが前と後ろが逆だと教えてもらった
着替えは一人でするものだとも教わった。 世界は広いのだな、心玖
そうだね〜
(ばあや、着替えまで手伝ってたんだ…… さすがプリンセスの家……)
新入りの寧月、こんなところにいたんですねっ!
ついてきなさい! 特別にちえりの仕事ぶりを見せてあげます!
見学させてもらいたいところだが、 蕾叶にここで待てと言われている
そういえば蕾叶ちゃんは?
来客があった。 その対応を終えたら戻ってくると言って――
――だから、もう一度ちゃんとお話しましょう!
話はもう終わってます〜! ほらっ、帰った帰った!
まだ対応しているみたいだ
あれ、あの人…… 確かわたしが寮に来た日にも来てた人じゃ……
ふふん、新入りたちは知らないでしょう。 あの人は蕾叶のお父さんの部下、鈴木さんですよ
へえ、じゃあ蕾叶ちゃんのお父さんって 音楽会社の人なんだ
ただの社員じゃありません。 蕾叶のお父さんは、なんと社長らしいのです!
どうですか、ちえりの知識量のすごさは
すごい、チェリはなんでも知っているのだな
そう、ちえりはすごいんです! 尊敬したっていいんですよ!
――現実を見てください。 どう考えても赤字じゃないですか、赤字!
だったら、お父様の会社に預ける方が安心でしょう!
預けるだぁ〜? ライブハウスを壊すって言ってたじゃないですか!
た……確かに、改築してスタジオにしますが ライブハウスの魂は受け継がれる的なアレで〜……!
アイドルプロジェクトのスタジオと ライブハウスじゃ、魂が違うんじゃないですか〜?
それは……そうかもしれませんけど〜……!
そもそも父さんに預けるってのもおかしいでしょ!
ここは私たちの『ホーム』で 元はばーちゃんのライブハウスだもん!
母方のお祖母様ですよね。 社長から聞いてます
そのお祖母様が、蕾叶さんが決めたことに従うと言ってることも
その私が、『ホーム』はあげませんって言ってるなら もうそれでいいじゃないですか
あんまりしつこいと、警察呼びますよ! けーさつ!
ま、待ってください! 実は、その〜……あっ、そうだ
社長が蕾叶さんを心配しているんです。 娘が赤字のライブハウスに囚われているって
え?
蕾叶さんが困っているなら、 社長として、父親として助けたいと
……父さんはそんな人じゃないですよ
えっ
たぶん私が困ってるかどうか考えたことないと思う。 父さんの口癖、『お前はよくわからん』だもん
私の声が父さんに届いたことも、一度もないしね
…………
(こいつ……脳内お花畑の ファミリーバカってわけでもないのかな)
だから、鈴木さんの今の話は嘘でしょ! 残念でした〜、騙されませ〜ん
ほんっと……腹立つ顔がお上手ですよね……!
もうこの顔見たくないですよね〜? だったらもう来ない方がいいんじゃないですか〜?
見たくないですけど〜……それでも、また来ます! このライブハウスをいただくまでは!
し、しつこ〜……!!
なんとでも言ってください。 こんなボロくてガラガラで赤字のハコ、 私の方が賢く使えますから〜
なにを〜? 『Nest』のライブ1回も観たことないくせに!
ないですよ? 必要ないですから
めっちゃくちゃあります! ライブハウスの魅力は、ライブでしかわからないでしょ!
だから明日の定期ライブ、観に来てください! 一度観ればここを潰すなんて言えなくなりますから!
え〜……観たって変わらないと思いますけど
変わりますよ、絶対に
ていうか変えてみせます! 私たちファミリーのライブで!!
……え?