――皆さん、本番まであと10分でーす!
ストーリー詳細
真心を込めて綴られた時の絵巻を静かに味わって。胸を打つ声と響き合う調べに導かれ、ステージと日常が交わるかけがえのない記憶をもう一度心に抱きしめます。

THAT KIND 愛 · EPISODE 19
ファミリーバカ!!
迎えにきたよ、マイ・ファミリー!!
ADV 10098 · 再生時間 11:17
解放条件
- プレイヤーランク 19
- 一家Dumb Rock! バンドランク 4
クリア報酬
はーいっ
…………ん。メイクおわり
(ヘアメイク、自前だとは思わなかったな。 これからお金かかりそう)
…………
(あたしが、アイドル……変なの)
(1人で生きていくって決めて、 いつの間にかこんなこと……)
(あたし……これでいいんだよね?)
! ……いけない
…………
そろそろステージまで移動お願いしまーす!
はーいっ
……よしっ、始めますか♪
……!
『あーあー、チェック、ワンツー』
『お〜、結構反響する! やっぱウチとは違うな〜!』
――えっ、ゲストアクトあるの!? 楽器までセッティングされてるんだけど!?
さっき追加の機材搬入があるって聞いておかしいと思った……! 急いで企画担当に連絡して――……!
ゲスト……?
あっ、ほんとだ! モニター、誰か映ってるよ?
『どうも、はじめましてー! 一家Dumb Rock!でーーす!!』
はあっ!?
いや〜、すごい会場ですね!
広くて、天井も高くて、どこもピッカピカ!
それに比べてうちのライブハウスは ボロいしちっちゃいし、どこもガッタガタ!
…………はぁ〜〜……
まったく……格好つかないじゃないですか
大丈夫だ。 ちゃんと息ができて、ステージに立っている
なんなのよ、あの子たち〜……!!
あっ!! あれ、さっき追加機材運んできた子たちです……!
ええっ!? スタッフに紛れ込んでたってこと!?
いや、もういい! 音響、照明も! 今すぐ止めなさい、早く!!
――ボロくて愛おしい、私の大切な『ホーム』。 それがライブハウス『Roarin' Nest』です
誰にも奪われたくなかった。 その気持ちを汲んで、『ホーム』を守ってくれた人がここにいる
はぁ……はぁ……はぁっ……!
『でもその人はきっと、笑ってないんです。 そんなの全然ピースじゃない』
ああもう、こんな靴……っ!!
はぁ……はぁ……っ あいつら、余計なこと……!!
担当の鈴木さーん! いますかー? いますよねー!
心玖のいないホームなんか、あんたにくれてやる! だから私たちのファミリーを……
っ……
心玖を返せ〜〜〜〜!!
――……!
〜〜〜っ!! スタッフは何をしてるの!?
すみません、現場が混乱してまして……!
もういい、私が行きます!
(バカたちが、全員で、ステージに立ってる……)
(てか、あたしが渡した曲、やってるし……!)
(全っ然作った通りに弾いてないし!)
(ライブハウスだって…… せっかくあたしが時間稼ぎしたのに……!!)
蕾叶ちゃん、みんな!! 何してるの!?
心玖……! やっっっと、会えた!
早くステージから降りて!! 鈴木さんを刺激するようなことは――……
迎えに来たよ、マイ・ファミリー!!
心玖1人に背負わせたりしませんよ!
約束守りにきました〜〜!! 作ってくれた曲、一緒に演奏しましょ〜〜っ!!
心玖のギターは、ここにある
はあ……!?
いいから、早く演奏やめて……! お願いだから、帰ってよ……!!
なに? 聞こえない!
言いたいことあんなら、上がってきなよ!
〜〜〜っ!!
帰れって、言ってんの!!!
……手、痛いよ。 力強いね、心玖
何が……何がファミリーよ……!
『家族さえなければ幸せになれる』って あたし言ったよね!?
家族ごっこももうたくさんだって言ったのに、 どうしてまたあたしを巻き込むの!?
あんたの気持ちばっかり押し付けてこないでよ!! あたしの気持ち、なんっにもわかってないじゃない!!
わかってる!!
……っ
私たち全部、わかってるよ……!
私たちを信じて、心玖が時間を作ってくれたこと。 私たちを想って、曲を作ってくれたこと
全部全部心玖が私たちのために たった1人で頑張ってくれたって、わかってる!
……!
私の宝物、守ってくれてありがとう。 心玖のでっかい愛、受け取ったよ
だから今度は私が、心玖を幸せにする……! 心玖も一緒に、幸せになろうよ!
私たち、世界で一番 ピースで幸せなファミリーになろうよ!!
――……っ
(……『ママ』に言ってもらえなかったこと)
……なんで……あんたが言うのよ……っ
えっ……!? だって、ファミリーだから……? あ、いや、これからなりたいってことで……!
わかってんのよ、そんなの! ううっ……うう〜……っ
(こいつに言われても、違うってわかってる)
(それでも――……)
うう〜……っ、この……ファミリーバカ……!
あ……
あははっ。心玖はほんっと、素直じゃないな〜!
うるさいっ……! ううっ……ぐすっ……
あげた曲くらい、ちゃんと弾きなさいよ……っ!!
できないなら……っ、あたしが一緒に弾いてあげる……! だから……
あたしをあの家に、連れて帰って……!!
うん……心玖、おかえりっ
……ん……
こういう時は『ただいま』って言ってよ〜!
ぐすっ……それより。 チェリ、さっさとカウント取ってよ
心玖、いま『チェリ』って……!
はっ! 違います、ちえりですよっ!
心玖も一緒に演奏したくなったのか?
寧月1人じゃ大変でしょ、曲のバランス取るの
それに……あの蓬咲さんがステージに立ってるうちに ちゃんと弾いておきたいの
心玖さん……!
さあやろうか、マイ・ファミリー!
えっ!? まま待ってください! その前に酸素を……!!
カウントいきますよ! ちえりに合わせて!
(偶然集まった他人同士。 何を間違ったか、『ファミリー』なんてものになった)
(どうですか、ちえりのドラムは! 有能な部下たちを導く、最強の音でしょう!!)
(自分のすごさをバカみたいに信じてるヤツがいて――)
(うう〜っ、ステージ、皆さんがいてもやっぱり怖いっ!! 結局私はよわよわの底辺人間なんだ〜……!!)
(情緒は不安定だけど、爆発力のあるヤツがいて――)
(ファミリーとは本当に底知れないものだな。 まだまだ多くの学ぶべき『知らないこと』がありそうだ)
(知らないことを恐れない純粋なプリンセスもいて――)
あははっ、これこれ! うちのファミリーは、こうでなきゃ!
(世界一めちゃくちゃなファミリーバカがいる)
ふふっ……あ〜もう、なんなのよこれ
(ここではなんにも期待通りにならない。 それでも――……)

(あたしが帰りたいと思える、唯一の場所)
……ただいま……!