……本当に、すみませんでした
ストーリー詳細
真心を込めて綴られた時の絵巻を静かに味わって。胸を打つ声と響き合う調べに導かれ、ステージと日常が交わるかけがえのない記憶をもう一度心に抱きしめます。

19話 セッション後
えっと、あの……! 朋花さん、頭を上げてください……!
何言ってんの。これはこいつの禊なんだから
…………
……私も。蛍に謝らなきゃ……ごめん
凪さんまで……! あの、わたしなら大丈夫なので……!
…………
(本当に、こんな事態になるとは思ってもいませんでした)
(蛍さんの才能に可能性を感じて、 バンドにお誘いしたのは確かですが……)
(想定していた以上に、 蛍さんが皆さんと親交を深めてしまった)
(もし強引にことを進めれば、 蛍さん以外の誰かが脱退してしまう可能性が高くて)
(——最悪、蛍さんごといなくなってしまう 未来もあり得ました)
(だから、あくまで慎重に。 全員の合意を取れるように進めようと思っていたのですが――)
私の思慮不足でした……
結果こそどうにかなりましたが、 それは皆さんのお力によるもの
ありがとうございました。 そして、ご迷惑をおかけしました
……だそうよ。どうする? 特に蛍とまほろ
えっ……
……まあ、こうして謝ってくれたことだし。 私は許すよ
!
でもね……今回の件で、私は朋花ちゃんに 舐められてたってのがよーくわかったから……
いつか絶対、見返してやるからね!
…………
(――まほろさん)
(一度は蛍さんに、焼き尽くされた人)
……あんた、負けず嫌いなのか何なのか よくわかんないわね
え、そう? だってほら、私が上手くできなかったのはまあ、本当だし
でもそれは、二度とがんばらない理由にはならないかなって
(私と同じ、モブ側の人のはずなのに。 どうして、そこまで――)
(……いえ。私の幸せが理解されないのと同じように、 まほろさんにはまほろさんの幸せがあるのでしょう)
(まったく、不思議な人ですね)
はい、ありがとうございます♪
いや、ありがとうってあんたね…… まあいいわ。蛍は?
えっ、と……朋花さん……と、凪さんが。 わたしに謝りたいってことは、わかりました
でも……わたしも。 皆さんに迷惑をかけてしまったのは、同じなので……!
お二人を責めることなんて、できないです
……まあ
…………
はん、相変わらず甘ちゃんね。 あたしなら一発ずつぶん殴ってるわよ
(――なつめさん)
(今回の一件で、ちょっと印象が変わりましたね)
(彼女の内側に渦巻く、触れるものを皆傷つけんばかりの、 刺々しくて荒っぽい激情)
(それはきっと、なつめさんの願いに繋がっていて。 彼女もまた、何かしらの救いを、幸せを求めている)
(妙なところで肝が据わっているのも相まって…… 思っていた以上に、面白い人のようです)
て言うか、なんでなつめ先輩が仕切ってるんですか……?
何でって、一番中立なのがあたししかいないからよ
あー、まあそっか……
(――凪さん)
(まほろさんを守りたいのか……自分を、守りたいのか)
(そのどちらにも見えるから、ついつい気になってしまって)
(……本当、いじらしいですね)
凪さん。一緒に贖罪、がんばりましょうね
……わかってるって
じゃ、これで今回の件は手打ちってことでいい? 二人とも、言いたいことがあるなら今のうちよ
あはは……うん。私は大丈夫
あ……
……蛍さん。遠慮なく言ってくださって構いませんよ
えっと……その。 朋花さんには、たくさん助けてもらったので……
朋花さんがわたしに、嘘をついていたのだとしたら…… それは、すっごく、悲しい……です
!!
そうですよね……せっかく蛍さんが寄せてくださった 信頼を、裏切るような真似をして……!
……わかりました。 蛍さん、安心してください
……?
これからは私……全てを包み隠さず、 あなたにお話しして、お見せしますね♡
え……え……?
ちょ……怖いんだけどこいつ
うふふ……
(もう二度と、あなたを手放してしまわないように♡)