は〜終わった〜……
ストーリー詳細
真心を込めて綴られた時の絵巻を静かに味わって。胸を打つ声と響き合う調べに導かれ、ステージと日常が交わるかけがえのない記憶をもう一度心に抱きしめます。

そのような座り方、はしたないですわよ。 もっと深く腰掛けて、足も閉じてください
えー、いいじゃん別に。 どっかの誰かが演出こだわるからリハ押したんだし
必要なことですから。 それに、まだ細かい部分の調整が残っていますわ
えー? まだやんの?
ええ、明日の朝から時間を押さえてもらっています。 と言っても、後はわたくしの立ち会いだけで終わりますわ
はー、まだ働くつもりなのねアンタ。 今日も朝からぶっ通しだったってのに
もーお腹ぺこぺこで倒れる寸前じゃない?
あら、心配してくださるんですの?
そりゃあねー。倒れられても困るし〜?
(てかアタシもお腹空いたな……帰ったら何食べよ。 冷蔵庫何あったっけ。タマゴと……)
(ダメだ、疲れてて思い出せない。 てか作るのめんどくさ〜……)
(今日はデリバリーでいっか)
(こないだ注文したのは…… そうだ、ビーフン。あれ美味しかったな~。 でも今は気分じゃないし、他のを……え?)
サラダちくわ天!
!?
やば、絶対これにしよ! あとは~
サラダ……なんですの?
あ
食べ物のように聞こえましたが
あ~……
うん、そう。地元の。 ほら、こんな感じのヤツ
ちくわの……天ぷらですわね。 中に何か詰まっているようですが
ポテサラ。余った時とか、 こうやってアレンジすんの
こっちじゃ全然見なかったから、 デリバリーにあってびっくりしただけ
なるほど……ずいぶん嬉しそうでしたが、 よく食べていたんですか?
……え、まあ
ご自分で作られたりは?
いや揚げ物とかダルいでしょ、フツーに
……てか、どしたのサキコ。 急にガンガン聞いてくるじゃん
いえ、あなたが地元のことを話すのが珍しかったものですから
あ、そ。てかこういうの、誰にだってあるでしょ。 実家の味っていうかさ
サキコも……って、アンタのとこはアレか。 実家の味っていうか、シェフの味?
そう……なりますわね
じゃ、懐かし~とかないか。 なんかごめん
お気になさらず。それに……
実家のものを恋しくなるなんて。 そのようなこと、わたくしにはありえません
巣立った鳥は、巣穴にはもう戻らないものですわ
あーね……
にしても、デリバリーというものは少々高額ですわね。 頻繁に使うと、食費が嵩んでしまうのでは?
天ぷらでしたら、工夫次第で自宅でもできますし。 例えば……
あーもう、うっさい。 別に自炊もしてるし、今日はたまたま~
……てか、意外にちゃんと生活してるんだ。 ウイコに頼り切りなのかと思ってた
わたくし、こう見えて暮らしのことには一家言ありますので
……はは、なにそれ。ウケる
じゃー困ったときは、サキコにご飯作ってもらおっかなー
ええ。機会があれば、腕を振るわせていただきますわ